.当店自慢の「源九郎餅」香ばしさと控えめの甘さが人気

                      中嶋商店(新紺屋町)中嶋源治氏

  

  当店は柳町商店街から矢田町通りを東へ約300mのところにある。郡山名物で知られている本家源九郎餅は

3代目の店主に守り継がれている。源九郎餅の名は先代が源九郎稲荷から頂いた由緒あるもの。

通称「焼餅」とも呼ばれているこの餅は、お茶菓子のおともとして、ご進物としても古くから好評を得ている。その味

は独特のもので、ほのかな香ばしさと、甘さを抑えたあっさり味が見事に調和して一度食べたらやみつきになる味。

製造はご主人が、店売りは奥さん、外販及び全般は4代目後継者の淳さん(27・写真・独身)がそれぞれ持ち場を

担当している。
  
  主力商品である源九郎餅や和菓子はひな祭りや彼岸といった年中行事のほか、冠婚葬祭などに欠かせない

もので、贈答用として用いられる機会も多い。主原料を北海道産小豆、もち米などすべて国内調達の植物性食品が

占めるため、消費者の健康志向の高まりから、そのよさが見直されている。しかし、顧客が50代以上の女性に偏っ

ており、市場は伸び悩んでいるのも否めない。

  後継者の息子・淳さんは5年前から家業に従事しており、幼少の頃からも見聞きし手伝ってきているので仕事の面

では不安は無いと言う。将来展望としては、ご両親の築いたものをベースにさらに規模の拡大を狙っている。そのため

には、先ず商品の良さを知って頂くこと。新規の需要開拓にも積極的に取り組む。特に同年代の20代や30代の若者層

に受ける商品の開発にも意欲を燃やしている。口コミでの広がりも大事であるが、飛び込みでの拡販やインターネット

上でのアピールも今後の方向として力を入れて行きたいとしている。

  和菓子店は、扱い商品の内容により、贈答品や祭事品を主力とする「贈答用菓子店」。だんご、羽二重餅、かしわ餅

など、一般家庭で消費される品中心の「自家用菓子店」。来客用や華道用の高価な製品を主とする「高級菓子店」がある。

当店は言うまでもなく自家用菓子店であって、品揃えの幅の広さと共に個性的でお店独自の味が求められる。20代の

若き後継者のもとで、伝統的な「源九郎餅」の味を守りつつ、現在の若いお客さんにも好まれる「新商品・新味の開発」

に取り組む事で更なる繁栄・発展が期待できるものと思われる。

       (営業時間:午前9時〜午後7時  定休日:火曜日  電話:0743−52−2145)