10.ご夫婦二人三脚で地域に密着したコンビニを経営
ほりぐち(近鉄平端駅前)
堀口喜代治氏
近鉄平端駅西へ約80mのところに「コンビニほりぐち」がある。こじんまりとして、なぜか親しみ
の持てるお店である。通勤の行き帰りとか、他で買い忘れたものを買い足すとか、足腰が不自由
で自宅まで届けて欲しいときなど、地域のお客にとってこれほど重宝しているお店はほかには無い。
周辺のお店がシャッターを降ろして次々と閉店・廃業するなかで、当店はしっかりと地域に根を
下ろして営業を継続している。その秘訣は、お客さんのニーズにキメ細かく懇切丁寧にこたえていること。
単に店売り一辺倒ではなく、ご主人が御用聞き宅配を武器に地域をくまなく巡回して注文をとり、
商品をお届けする。奥さんの和代さんもご家族の事、趣味の事、地域の出来事等々ご来店客との
よもやま話に忌憚無く花を咲かせる。
お店の創業はオイルショックの昭和48年で、コンビニという言葉が言われ始めた頃、自販機の
カップマシンと共に営業をスタートさせている。奥さんと共に文字通り二人三脚で34年間取り組んできた。
ご本人は何でも興味を示して積極的に取り組む方であるが、奥さんは堅実型、アクセルとブレーキが
上手くバランスが取れて円満に事が運んでいると自他共に認めるところである。
前述の通り店売りと外販両方に対応しているが、その比率はほぼ6対4で店売りが少し上回っている。
外販もご主人の年齢を感じさせない活発な動きのなかで安定した実績を上げている。後継者となれば
息子さん(45)となるが、こちらは外資系大手製薬会社勤務でまだ先の先とのこと。店主本人は身体に
自信があるので後継者のことを云々する暇は無いと言った感じで日々の仕事に邁進している。
経営姿勢で一貫しているのが、「1人のお客さんを大事にすること」であって、信用第一の取り組みである。
松下幸之助や本田宗一郎の教えなどもお店の経営にしっかり取り入れて行きたいと意欲的である。
同じコンビニでも大手チェーン組織加盟のお店が真似の出来ない独自のものを目指すとしており、隣近所の
閉店・廃業や大型店の出店で、たとえ環境は厳しくなっても己の信じる道を突き進む限り恐れるものは何も
無いと自信を覗かせる。
(営業時間:午前9時〜午後7時 但し日曜は10時〜6時 年中無休 電話:0743−56−0119)